Dr.Andyの活動記録

スープキッチン

恵まれない人々のために身を捧げるアイアン・マン

ロレンツォ・ヴェネラシオン氏

フィリピンのバギオ市で、ある一人の若い女性が貧しい農民の生活向上の為に奉仕活動を続けていました。彼女は、マニラ地方裁判所の判事、ロレンツォ・ヴェネラシオン氏の長女で、ローリーさんといいます。フィリピン大学のホテル・レストラン経営学科を卒業後、ロータリークラブの社会奉仕活動の一つのプログラムである、バギオ市のフルーツ栽培生計プロジェクトにおいて、職業訓練の講師として活躍していました。ローリーさんは、人々の役に立ちたいと、自分にできる精一杯のことを一生懸命に努めていたのです。そんな彼女の輝ける未来に幕が降ろされることになろうとは、誰も予測は出来ませんでした。1987年6月、講義のためにバギオ市を訪問するために乗り込んだ飛行機が、バギオ市到着のわずか11分前に墜落。乗客乗員すべての人々が死亡するという痛ましい事故が起きました。このときローリーさんはまだ25歳でした。

スープキッチンの外観、鉄筋コンクリートの4F建てビル父のヴェネラシオン判事は、サンフランシスコ・デルモンテ・ロータリークラブの元会長を務め(1984~1985年度)、彼もまた社会奉仕活動を実践する人でもありました。ローリーさんは、そんな彼の良き理解者、協力者でもあったのです。娘さんを亡くしたヴェネラシオン判事の深い悲しみは想像だにできません。しかし、彼はいつまでも悲しみに浸ってはいませんでした。航空会社からの補償金を基に、ローリーさんの27歳の誕生日である1989年6月5日に「THE LORELY T.VENERACION I-CONSUELO A.PAULINO財団」を設立しました。そして、彼は社会奉仕活動に身を投じるべく決意を新たにしたのです。

写真左上:スープキッチンの外観、鉄筋コンクリートの4F建てビル

まず彼は、「スープキッチン」というプロジェクトで、地域記念植樹をするDr. Andyとロレンツォ判事ラモス大統領が植樹したすぐそばに植樹しましたの恵まれない、飢えに苦しむ子供たちのために、毎朝無料の給食サービスを開始しました。地元の主婦らのボランティア活動によって、この給食サービスはケソン州の各地で行われるようになりました。判事は積極的に行動し、フィリピン政府から50年間無償で土地を借りることに成功。ケソン市役所から15キロほど離れたこの地に、「ロータリー・スープキッチン・フードバンク・レーニング・センター」の建物を建設することになりました。1994年の式典にはラモス大統領もご出席され、工事も着々と進行するはずでしたが、一時は資金不足から建設が中断するというハプニングにもみまわれました。しかし、判事は不屈の精神でこのプロジェクトを敢行したのです。4階建てのこのセンターは、無料診療所や給食サービス、保育園、コンピュータ教室をはじめとする職業訓練のための様々な設備が用意されています。ここでは、貧しさゆえに学校に行けない子供達や失業中の成人達に、自動車整備、大工、左官、配管、電気配線、コンピュータ操作、ミシン製法など、各種の職業訓練の機会を提供しています。ホテルで働くための立派なトレーニングルームもあり、ここで、ベッドメーキングなど多くの事を学びます。

写真右:記念植樹をするDr. Andyとロレンツォ判事ラモス大統領が植樹したすぐそばに植樹しました

日本・タイ・フィリピン・アメリカから寄せられた寄付金で、安全な飲み水にする為に僻地の村に井戸を建設。 竣工式に出席するDr.Andyまた、ミシンを使って洋服や靴、手芸品などを作り、それらの製品は町のスーパーに卸されています。その収益は、それぞれ製品を作った人の収入となり、そのお金で人々は自分のミシンを購入することができます。ミシンが手に入れば、それでまた洋服などを作って売ることができ、一家を支えることができるというわけです。ミシンの購入代金は次の人のために使われ、ミシンを購入できた人は、ここで学んだ製法技術を新たな人々に無料で教えるシステムになっています。ミシン製法のほかにも、料理を作ってスーパーに販売するケースもあります。ここでは、収入を得るための様々な手段が講じられています。判事が目指したのは、ただ単に食料を提供することではなく、人々が専門技術を身につけて自分の力で生計を営むことができるようになることでした。その努力は、着実に実を結びつつあります。人々から「Iron Man(鉄の男)」と呼ばれる彼は、その強い意志を持って娘のためそして人々のために今日も活動を続けています。私は悲しみを乗り越え、奉仕活動に半生を捧げているその姿に接するたびに勇気を与えられる、そんな思いがいたします。

写真左下:日本・タイ・フィリピン・アメリカから寄せられた寄付金で、安全な飲み水にする為に僻地の村に井戸を建設。 竣工式に出席するDr.Andy

「スープキッチン」で行われている様々なボランティア活動の様子です。

スープキッチン(1F)の無料歯科診療所スープキッチン(1F)の無料内科診療所
写真左:スープキッチン(1F)の無料歯科診療所
写真右:スープキッチン(1F)の無料内科診療所
スープキッチン(3F)のミシン職業訓練(マイクロクレジットでミシンを購入)ミシンによる職業訓練先生はボランティアです
写真左:スープキッチン(3F)のミシン職業訓練
(マイクロクレジットでミシンを購入)
写真右:ミシンによる職業訓練先生はボランティアです
学校へ行けなかった少年達に簡単な電気工事の訓練図書が手に届く時、微笑みいっぱいの子供たち
写真左:学校へ行けなかった少年達に簡単な電気工事の訓練
写真右: 図書が手に届く時、微笑みいっぱいの子供たち