米山奨学委員長からのメール

米山奨学委員長からのメール

ウォン様

岐阜の各務原RCの卓話 大変お世話になりました。
わざわざ前日から岐阜まできていただきまして、心からお礼申し上げます。
例会終了後、お話をもう少し聞きたかったのですが、私事でお話の輪に加わることなく帰りました非礼をお許しください。
そのときの私の気持ちを各地区の米山委員長メーリングリストに書きました。
下記にあります。御一読ください。

第2630地区 米山奨学委員長 藤田﨨三

Sent: Thursday, February 09, 2006 3:27 PM
Subject: 米山やっとって良かった日

2006年2月8日
この日は忘れられない日になりました。

朝 会社に出勤してメールをあけると、今年米山奨学生を終了する学生から、米山奨学会にお礼のメールがきていました。彼女は後10日で博士論文の発表会があり、その忙しい時間を割いてメールをしてくれました。委員の我々と世話クラブの皆さんにあえなくなる寂しさが書いてありました。メールの時間を見ると午前3時になっていました。
きっと博士論文の発表準備にうみつかれた時に、メールしてくれたのでしょう。
私が米山の卓話によく使う魯迅の「藤野先生」の最後の一章節を思い出しました。

お別れに藤野先生は一枚の写真をくださいました。写真をとったら送るように言われましたが以来状況も面白くなく、一本の手紙、一枚の写真も差し上げたことはありません。
だがどうしてかわからない。私はよく先生のことを思い出す。私が我が師と仰ぐ人々の中で、先生はもっとも私を感激させ、私を鼓舞激励してくださった一人である。先生が訂正してくださった講義筆記を私は3冊の厚い本に装丁して取っておいた。それを永久の記念にするために。不幸にして7年前の転居の際に失われてしまった。
只先生の写真だけは、今も尚私の北京の寓居の東側の壁に、書き物の机に向かい合って掛けてある。何時も夜中にうみつかれて、眠気を誘われたりするとき、顔を上げると明かりの中に先生の黒くやせた顔がチラリと見える。まるで今にも抑揚のある言葉で何か話し出そうとしていらっしゃるかのようである。すると又良心が沸いてきて、そして勇気を倍化させられる。そこで1本のタバコに火をつけて、再びあの「小人君主」のやからが痛く憎悪する文章を書きつづけるのである。

私は朝からうれしくなって「米山やっとって良かった」と返事を書き、会社から1時間ほどの各務原RCに向かいました。

30年前岐阜大学医学部在学中、米山奨学生としてお世話になっていたアンドリューウォンさんが世話クラブの各務原RCに卓話にきてくれました。
彼は現在第2750地区「東京城西RC」の会員で400件もの国際的人道プロジェクトに参加され、「超我の奉仕賞」を受賞。と漠然とした知識しか私の頭にありませんでした。
この「米山奨学生の里帰り卓話」という私の気まぐれな思いつきに、わざわざ一泊して東京から来ていただけました。各務原RCではこの催しのために、もうロータリーをリタイヤされた当時のカウンセラー久松さんを招いておられました。30年ぶりの再会に二人は懐かしそうに当時のことを話されています。久しぶりに再会した親子のように…。卓話が始まりました。
「只単純に元米山奨学生が元世話クラブを訪問し里帰り卓話をしてもらうだけ」と、それ以上の何のシナリオも持っていなかった私は、400件もの人道的プログラムや「超我の奉仕賞」の偉大さに圧倒されました。
我々の想像を…、予想をはるかに越えていました。
これが本当のロータリアンか・・・・我々が今やっていることは何なんだ…小さなことでクラブ内でもめたり、何を計画しても反対者があったり…
今目の前で元米山奨学生のウォンさんが話しているのが、本来のロータリー活動だと。ロータリアンの姿だと。自分達のクラブ、自分達の地区、自分の考えとの温度差があまりにもありすぎるのを感じました。
自分の胸につけているロータリーのバッジの軽さを感じました。ウォンさんの胸のエンブレムは本当に重そうに見えました。
もう一つ私には例会に出席されている他のロータリアンとは別の感情がありました。
何時も何時も「日本のことをよく思わない外国の留学生に、なぜ奨学金をやるんだ」というロータリアン達に、「国と国との架け橋を作るんです」と自信のない、とってつけたような説得を続けてきた私の心には、ほんとにすばらしい卓話でした。
「米山やっとってよかったなー」です。
そこまで考えたとき目頭が熱くなりました。
涙を見せるのも恥ずかしいから、もう今日の私の役目は終わったんだから、帰ろう。
後の座談会に会長から誘われましたが、お断りして帰宅の途につきました。
車の中で、一人になって・・・ほんとに米山やっとったしあわせを実感しました。
今日は1日良い日でした。

第2630地区 米山奨学委員長 藤田﨨三

追伸 
野津さん やはり私の涙腺はゆるいようです。

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